的中率と回収率には一体どのような関係があるのでしょうか?結論から言うと回収率を上げるためには、的中率が下がってしまっても仕方がないということになります。ここでは、実際に過去10年のデータを使って検証したデータがありますので、そのデータをもとに説明してきたいと思います。
検証方法
回収率と的中率の関係はどうやって調べれば良いのでしょうか?
1つのアイデアとして、回収率予測式というものを作成し、これをもとに的中率と回収率の関係を導き出す方法が考えられます。例えば、以下のように3つの検証を行ったとすると、回収率70%~90%で的中率の関係が計算できることになります。
- 回収率が70%の買い方をした場合の的中率
- 回収率が80%の買い方をした場合の的中率
- 回収率が90%の買い方をした場合の的中率
つまり回収率予測式で回収率を指定し、その時の的中率をグラフにプロットすることで、的中率と回収率の関係を視覚化することができます。
回収率予測式
回収率予測式について説明します。今回作成した回収率予測式は、2010年~2020年までのデータをTARGETからダウンロードし、人気や過去の成績など様々なファクターを組み合わせて、作成した回収率予測式になります。
詳しい説明は割愛しますが、独自のアルゴリズムに基づいて、馬券を点数化していますので、この式の点数が高いほど高回収率で点数が低いほど低回収となります。また、今回検証した券種は3連単になります。これから紹介する結果は他の券種ではやや傾向が違うかもしれません。
的中率
ここで的中率の定義を明確にしておきたいと思います。ここでの的中率とはレースごとの的中率のことを示します。例えば10レース中3レース的中した場合は、的中率は30%となります。実際は10レースの中でも買い目が多いレースや買い目が少ないレースもあり、当然買い目が多いレースの方が的中率は高くなりますが、そのような点は今回考慮していません。あくまでも的中率の分母は馬券購入した総レース数、分子は馬券が的中した総レース数としています。
検証結果
それでは検証結果について説明していきます。結果は以下のグラフになります。
勘のいい人はグラフを見たただけで理解できるかもしれませんが、それぞれの項目を説明したいと思います。
横軸
まず、横軸についてはこれは回収率予測式の点数になります。つまり、馬券を点数化したものなります。今回の馬券の点数の範囲は-30~55くらいまでとなっています。
縦軸1
縦軸は2つありますが、まず中央付近の縦軸についての説明です。これは、回収率の軸を示しています。回収率は50%~150%の範囲でプロットしています。
縦軸2
もう1つの横軸として右にあるものが、的中確率の指標になります。数字が大きいほど的中確率が高いものと認識してもらって問題ないです。
青線
青線が今回の回収率予測式をもとに馬券を購入した場合の的中率になります。回収率予測式の値が-10付近が最も的中率が高い結果となっています。
緑線(実線)
緑線(実線)は回収率のデータをプロットした線になります。グラフが右肩上がりになっていることから、今回の回収率予測式で点数が高い馬券を購入すると回収率も高くなる傾向になっていることが読み取れます。
緑線(点線)
緑線(点線)は緑線(実線)を一次関数で近似したものになります。
赤線
赤線は回収率100%のラインになります。今回の回収率予測式を用いると、緑線(点線)と赤線が交わる点のx軸は45点付近なので、原理的には45点以上の馬券を購入しづづければ回収率100%を達成できることになります。
的中率と回収率のバランス
的中率と回収率のバランスについて考察してみましょう。
回収率
まず回収率についてですが、今回の回収率予測式を用いるとグラフは右肩上がりになっているので、過去のデータに対しては正しく回収率の予測ができていると判断します。また、回収率予測式の点数が高いものほど、的中率は下がっているため的中データのサンプル数も少なくなり、高回収率の結果は大きくばらつく結果となっています。
的中率
続いて、的中率のグラフについてですが、これはあるところをピークに両側へグラフがなだらかになっています。正規分布という言葉を聞いたことがある方もいるかと思いますが、これはほぼ正規分布の形をとっていると言えるでしょう。
バランス
このグラフを見れば的中率と回収率のバランスはイメージできると思います。冒頭で説明した通り回収率が高い買い方をするほど、的中率が下がってしまうことが分かるかと思います。もう1つ大事なポイントとして回収率が低い買い方も的中率が下がってしまうということです。これは、後ほど馬券の買い方ノウハウで説明したいと思います。
今回の3連単の検証では、回収率100%を目指す目安は、的中率は1%以下という結果になっています。つまり100レース購入して1レース当たるか当たらないかということになりますので、イメージとしては数か月に1回程度当たるくらいの感覚になるということになります。
馬券の買い方ノウハウ
今までの検証結果でいうと、的中率1%以下でないと回収率100%を超えないことになります。ここで、注意する点はあくまで、高回収率が見込める買い方をすることが理想であって、的中率が低い馬券を狙うことではないです。
グラフを見て頂くと分かりますが、的中率が低いゾーンは2種類あります。それは低回収率ゾーンと高回収率ゾーンに分けられます。例えば的中率が低くかつ低回収率ゾーンの馬券の買い方としては、16番人気単勝オッズ200倍の単勝馬券などがこれにあたります。たしかにこの馬券は的中率は1%以下になると思いますが、回収率60%を大幅に下回るでしょう。低い的中率の馬券を狙えば良いというものではありません。滅多に当たらないし、回収率も低い最悪の結果となってしまいます。
逆に今回の回収率予測式を使った馬券の買い方は、的中率が低くかつ高回収率ゾーンの馬券の買い方になります。的中率が低い馬券には2つのゾーンがあることを覚えておいた方がよいでしょう。
まとめ
今回は的中率と回収率の関係について説明しました。本気で回収率100%超えを目指そうとすると、的中率はかなり犠牲になることになります。逆に言うならば、あえて人気どころの馬券を買うようなやり方は、高的中率ゾーンを狙っていることになりますので、回収率100%を超える見込みは低いです。
ここで、検証したのは3連単での検証結果になります。単勝や複勝、馬連や3連複など、その他の馬券で検証すれば違う結果になるかもしれません。また、今回紹介した回収率予測式は私独自の検証結果なので、もう少し優れたアルゴリズムやデータ解析をすることで違う結果になる可能性もあります。回収率と的中率の関係を調査する1つの例として、今回の話を参考にしていただければ幸いです。
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