単勝複勝の回収率が高い馬は他の券種でも本当に回収率が高いか!?

単勝や複勝以外の馬券で、回収率が高いと予想される馬券を選ぶにはどのように考えれば良いでしょうか?例えば単勝回収率や複勝回収率が高い馬を選定し、それらを組み合わせれば回収率が高い馬券になることが予想されます。しかし、実際にそれが本当かどうかは確認してみないと分かりません。今回は、単勝や複勝の回収率が高い馬は、他の券種でも回収率が高いかどうかを検証しましたので、参考にして頂ければと思います。

回収率が高い馬券とは?

冒頭でも簡単に説明しましたが、馬連、ワイド、馬単、3連複、3連単で回収率が高いと思われる組み合わせを探す方法としては、単勝回収率や複勝回収率が高い馬を予め選定しておき、それらを組み合わせることで高回収率が見込めそうです。一般的にはこのように説明されることが多いのですが、それは果たして本当でしょうか?

単勝や複勝はもちろんですが、馬連や3連複などすべての券種はそれぞれ独立で馬券が販売されているので、単勝や複勝の支持率や回収率の傾向が、そのまま他の券種へ適用できるとは限りません。実際に検証してみた結果、単勝や複勝の回収率傾向が他の券種では違う傾向になるケースも判明しましたので、今回説明していきたいと思います。

単勝と複勝以外の回収率の計算

ある馬Aの単勝と複勝の回収率のイメージは分かる方もいると思いますが、2頭以上が結果に絡んでくる馬券の場合、その馬Aの回収率はどのように計算すればよいのでしょうか?ここでは馬Aの3連複回収率について考えてみたいと思います。

※単勝と複勝の回収率に関しては以下の記事に記載していますので、参考にしてみてください

単勝回収率と複勝回収率の計算方法の違いを解説

3連複の回収率

それでは、馬Aの3連複としての回収率を考えてみたいと思います。まず馬Aが3着以内に入れば、他の2頭の結果によらず的中馬券としたいところです。よって、馬Aの3連複回収率を計算するときは、馬Aが絡むすべての組み合わせの3連複馬券を購入することとします。ただし、払戻金額が一定になるように馬券購入金額を調整します。このように考えることで馬Aの3連複としての回収率を算出することができます。

例えば、あるレースにおいて、馬Aの複勝を購入した場合と上記説明の通り、馬Aが絡むすべての組み合わせの3連複を購入したとします。ここで、馬Aが3着以内に入ったとすれば、複勝も的中していますし、3連複も的中していることになります。複勝も3連複も両方的中しているということになりますので、複勝と3連複どっちがお買い得だったか?を比較することができます。

このように考えることで、馬Aの3連複としての回収率を算出することができることになります。

単勝・複勝・3連複の回収率比較

それでは、単勝・複勝・3連複の回収率を比較してみたいと思います。今回比較の条件となるのは単勝オッズとしました。例えば単勝オッズが3倍の馬がいたとしたら、単勝を買うべきか、複勝を買うべきか、3連複を買うべきかを回収率で比較できることなります。

検証は自作の解析プログラムで実施しており、データは2010年~2020年の11年間のデータです。オッズ範囲は1倍~220倍までをレンジとしています。下記が結果なります。

横軸がオッズで縦軸が回収率になります。ここで注意点ですが、控除率の設定値の影響で、単勝と複勝の平均回収率は80%になるのですが、3連複は75%になります。今回はこの5%の差分は考慮したくないので、あえて3連複のデータを5%かさ上げして補正したデータを用意しています。ひとまず点線の3連複のデータは無視して問題ないです。

グラフの見方を例を用いて説明します。例えばオッズ20倍のラインを見てみましょう。単勝の回収率は83%付近であるのに対し、複勝の回収率は80%、3連複は78%程度となっています。つまり、オッズ20倍に関して言うならば、回収率が高い順に単勝、複勝、3連複という順になります。

今度はオッズ180倍付近を確認してみましょう。複勝と3連複の回収率は60%程度ですが、単勝は47%程度の回収率となっています。先ほど説明した20倍付近の傾向とは異なることが読み取れます。

今度は先ほどのデータのレンジを1倍~50倍に限定して確認してみましょう。

注目してほしいのは、単勝1倍~単勝1.5倍付近の傾向です。複勝回収率は95%であるのに対し、3連複は85%、単勝は83%となっています。つまり、複勝回収率が高いからと言って、3連複に馬券に組み込んだとしても回収率が高い組み合わせにはならないことを示しています。

単勝1倍~単勝1.5倍の複勝オッズは1.0倍~1.1倍です。これでは大きなリターンが得られないため、馬券的にも人気にならず逆に高回収率になるという結果になっています。一方で3連複を購入する側としては、単勝1倍~1.5倍の馬はほぼ確実に3着以内に来ることが分かっているの、多くの人が単勝1倍~1.5倍の馬を馬券に組み込む買い方をします。よって、複勝で買うより3連複で買う方がやや回収率が下がってしまうことになります。

このように、単勝や複勝馬券の回収率だけを頼りにして、他の券種、つまり、馬連、ワイド、3連複、3連単を購入する方法は少し危険かなと思います。もちろん、大きな傾向自体は外れていなさそうなので、完全な間違いではないですが、信頼性を求めるなら、やはり、単勝は単勝、複勝は複勝、3連複は3連複というように券種ごとに回収率は解析して、馬券購入の指標にすべきだと感じます。

まとめ

今回示したデータのように、単勝回収率や複勝回収率を指標にして他の券種の馬券構成を考える方法には少し欠点があることが分かりました。ただし、大まかな傾向自体は合っている箇所もあります。例えば先ほどのグラフを確認すれば分かりますが、単勝回収率を参考にして、3連複を購入するのには信頼性が低そうですが、複勝回収率を参考にして3連複を購入するケースはあまり問題がないようにも思います。(複勝回収率と3連複回収率の傾向が似ているため)ただし、オッズ1倍~3倍の領域は複勝回収率と3連複回収率の差が大きいため除外したいところです。

私も数年間は単勝回収率や複勝回収率を指標にして馬券を組み立てていた時期がありました。これではなかなか良い馬券成績を残すことができません。やはり、馬券を解析するにはいろんな視点で考える必要があると改めて感じました。今後も競馬を深く研究し、良い馬券成績を残せるように解析を続けていきます。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

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