馬券は的中したけれど、利益は思ったほど少なかった。そんな経験をお持ちの方はいないでしょうか?合成オッズという考え方を理解しておけばこういったケースを減らしていけるかもしれません。ここでは合成オッズの計算方法や活用方法について説明してきます。
合成オッズが必要な理由
いきなりですが、例えば5頭立ての各馬の単勝オッズが以下のようになっていたとします。このオッズを見てどのように感じるでしょうか?
違和感を覚えた方はセンスがあると思います。結論から言うとこのオッズの場合、資金配分を工夫すれば必ず儲けることができます。
例えば5頭のすべての馬を100円ずつ購入した場合はどうでしょうか?合計購入金額は500円なので、3番~5番の馬が1着になると損はしなさそうですね。ただ、1番2番の馬が1着に来ると配当は400円になるので、損をしてしまいます。これではダメですね。
それではどのように資金配分を行えばよいでしょうか?正解は的中時の払戻金額が一定になるように馬券購入金額を調整すればよいということになります。
今回は説明のため、配当金が16,000円になるように各馬の単勝馬券を買うこととします。そうすると以下のようになります。
馬番 | オッズ | 購入金額 | 的中時払戻 |
1 | 4.0 | 4,000円 | 16,000円 |
2 | 4.0 | 4,000円 | 16,000円 |
3 | 5.0 | 3,200円 | 16,000円 |
4 | 8.0 | 2,000円 | 16,000円 |
5 | 8.0 | 2,000円 | 16,000円 |
払戻金額はどの馬が来ても的中ですから、16,000円になります。一方馬券の購入金額は
4000+4000+3200+2000+2000=15200
となり、15,200円になります。つまり、このような資金配分方法にすれば、今回の例だと必ず儲かることになります。ちなみに今回の払戻金が16,000円で馬券購入金額が15,200円なので、この比率を計算すると
16000/15200 ≒ 1.05
となります。このように計算例を示してきましたが、実はこの計算方法によって算出された1.05という値が合成オッズになります。
合成オッズを知ることで、購入しようとしている馬券でどのくらい利益が出そうかを見積もることができます。
合成オッズとは
それでは合成オッズの計算方法について説明します。合成オッズは複数の馬券を1つの馬券とみなした時のオッズになります。合成オッズを計算することで、馬券購入金額から払戻金の目安を予測することができます。例えば合成オッズが3だとしたら、10,000円分の馬券を購入して的中した場合は、30,000円の払戻金が見込めることになります。
合成オッズ計算方法
合成オッズの計算方法についてですが、計算イメージは以下の手順になります。
- 仮の想定払戻金を設定する
- 的中した時に①で設定した払戻金が得られるように、各馬券の購入金額を設定する
- ②で計算した各馬券の購入金額の合計を計算する
- ①で決めた払戻金を③で計算した馬券購入総額で割る
N個のオッズの合成オッズを算出する計算式としては以下のようになります。以下の計算例では上の手順の「仮の想定払戻金」を1円としています。(※仮の払戻金設定は100円でも10,000円でも良いのですが、公式としてスッキリさせるために1としています)
活用方法
それでは、実際に活用方法を紹介します。以下は2020年ジャパンカップの出馬表の一部になります。アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトの3頭の名馬が同一レースに出場した記憶に残るレースになります。
例えば、このレースの勝ち馬はこの3頭のうちのどれかに違いないと予想したとします。この3頭の単勝馬券をすべて購入するとして、合成オッズを計算してみましょう。
アーモンドアイ、デアリングタクト、コントレイルの単勝オッズはそれぞれ、2.2倍、3.7倍、2.8倍なので、公式に代入して計算すると以下のようになります。
合成オッズは約0.92となりました。つまり、10,000円の資金を分配して、この3頭の単勝馬券をそれぞれ購入したとすると9,200円の払戻金が見込めることになります。この例から分かるように、今回この3頭すべての単勝を買う方法は損をしてしまう買い方になっているということが分かります。よって、単勝馬券を買うなら、少なくとももう1頭分は買い目を減らさないといけないことが分かります。このように合成オッズを確認することで、買い目が多いか少ないか、あるいは払戻金の想定はどのくらいになるのか想像することができます。
合成オッズの目安と期待値
それでは、合成オッズの目安と期待値について説明したいと思います。
目安
合成オッズの目安はどのくらいが良いのでしょうか?3倍、10倍、1000倍…
実は目安の答えというものはありません。しかし、合成オッズは1.0を下回ってはいけません。合成オッズが1.0以下の場合は損をする馬券構成になっているからです。逆に合成オッズが1.0を超えていれば、少なくとも間違いではありません。
合成オッズが1.1倍であっても、確実に的中する自信があるならば収支はプラスになりますし、合成オッズが100倍でも50回に1回的中する自信があれば、収支は十分プラスになるのです。合成オッズだけの目安というものはありません。
あとは個人の好みの問題になるかと思います。ガチガチのレースで合成オッズ1.1倍の馬券構成を狙う方もいれば、的中率と回収率のバランスから合成オッズ3.0倍程度を狙う方もいれば、大穴狙いで合成オッズ20倍を狙う方もいます。
少なくとも合成オッズが1.0を下回っていなことだけ確認すれば問題ないでしょう。単勝全通り買いや3連複10頭ボックスなどという買い方は合成オッズが1.0を下回るので、そういった買い方には注意が必要です。
期待値(回収率)
目安の話と似ているのですが、期待値(回収率)という視点では、どのくらいの合成オッズが良いのでしょうか?
実はこれについても正解はありません。オッズだけで期待値は決まらないからです。期待値は以下の公式になります。
期待値(回収率)=オッズ×的中率
オッズと的中率の2つがあって期待値というのが決まります。当然、的中率は見えないものですが、これをイメージすると予想の精度と言っても良いと思います。例えば、同じ出馬表で馬Aは単勝3.0倍、馬Bは単勝3.0倍だとします。どちらかを選ぶとしたら、どのように選ぶでしょうか?馬Aと馬Bの実績や騎手の成績などを比較して、的中率が高そうな方を選ぶはずです。このように3.0倍だからと言って期待値が高くなったり、低くなったりすることはありません。
合成オッズにも同じことが言えます。3.0倍だから期待値が良いとか、10倍は悪いとかそういったことはありません。あくまで馬券の選び方が期待値に影響するのであって、合成オッズの値だけで期待値は決まらないのです。
まとめ
合成オッズの計算方法や活用方法を説明しました。合成オッズは馬券購入から払戻金を予想する使い方ができます。合成オッズが1.0倍を超えていれば特に問題ないと思います。合成オッズを計算するエクセルファイルを以下に公開しています。よければご利用ください。
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