回収率という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、馬券の成績を確認するのにも過去のデータを参考するのにも回収率という考え方が必要になってきます。競馬で勝ち組になるためには必ず回収率を理解していなければなりません。
回収率は払戻金の総額を馬券購入総額で割った値になります。例えば、10,000円分の馬券を購入し7,320円の払い戻し金があった場合には回収率は73.2%になります。この記事ではよく馬券購入の指標にされる単勝回収率と複勝回収率について解説していきます。
単勝回収率
冒頭で説明した通り、回収率は馬券購入の総額と払戻金の総額の比率になります。例として10,000円分の馬券を購入し、7,320円の払い戻しがある例を紹介しました。もちろん、この考え方であっているのですが、大きく分けて、さらに以下の2ケースの考え方があることを理解しておく必要があります。
考え方①
例えば、ある日のレースで以下の4レース分の単勝を購入するとします。軍資金は10,000円とし、資金を4分割して1レースに2,500円分ずつ購入します。今回は2番目のレースと3番目のレースが的中したとすると成績は以下のようになります。
No | 単勝オッズ | 購入金額 | 結果 | 払戻金 |
1 | 10.0倍 | 2500円 | – | 0円 |
2 | 5.0倍 | 2500円 | 的中 | 12,500円 |
3 | 20.0倍 | 2500円 | 的中 | 50,000円 |
4 | 50倍 | 2500円 | – | 0円 |
成績をまとめると馬券購入金額は10,000円で払戻金は62,500円なので、回収率は625%になります。
このようにどの馬券も均等に馬券を購入する考え方があります。馬券購入金額は一定で払戻金額が変動するのが特徴です。
考え方②
それでは先ほどと同じ購入例で、違う考え方をしてみましょう。
先ほどは馬券購入金額を一定にしましたが、今度は払戻金額が一定になるように馬券を購入します。例えば払戻金が10,000円になるように馬券を購入するならば、以下のように馬券購入金額を調整することになります。
No | 単勝オッズ | 購入金額 | 結果 | 払戻金 |
1 | 10.0倍 | 1,000円 | – | 0円 |
2 | 5.0倍 | 2,000円 | 的中 | 10,000円 |
3 | 20.0倍 | 500円 | 的中 | 10,000円 |
4 | 50倍 | 200円 | – | 0円 |
この場合馬券購入金額は2,700円となり、払戻金額は20,000円になります。よって回収率としては約741%になります。
先ほどの例とは異なり馬券購入金額が変動し払戻金額が一定になるようにするのが特徴です。このような考え方を単勝適正回収値と呼ぶことがあります。
考え方の違い
以上のように2つの考え方があるのですが、どのように使い分ければ良いでしょうか?
過去の成績を確認する場合は、個人の馬券購入スタイルによるものなので、考え方①でも考え方②でもどちらでも良いのですが、過去のデータから回収率を予測する場合は、考え方②の方法で回収率を算出するのが良いでしょう。それは考え方①だとオッズが大きな馬券に結果が左右されて、その他の馬券の影響度が加味されなくなってしまうからです。それに比べて考え方②は的中しにくいものほど掛け金が少なく、的中しやすいものほど掛け金を大きくしているので、結果が安定しやすいです。
一般的には考え方②の方法で過去のデータを検証した方が信頼性や安定性も高いということを覚えておきましょう。
複勝回収率
それでは複勝についても同様に回収率の計算方法を考えてみたいと思います。オッズが大きいものほど掛け金を少なくし、オッズが小さいものほど掛け金を多くする計算方法が、回収率の考え方の基本になりますが、複勝については単勝と比べて違う点が2つあります。それは以下の2点です。
- 複勝オッズは下限と上限の範囲で示されている。
- 複勝の配当はレース後に確定される
これらの点について詳しく見てみましょう。
複勝オッズと配当について
複勝は単勝と違って的中が3つ(レースによっては2つ)あります。複勝の払戻金は的中者全員で分配することになるので、自分が選んだ馬だけでなく、その他入線した馬の複勝支持率にも左右されます。よって、オッズとしては幅(下限と上限)をもっていることになります。例えば、複勝オッズが
2.2~4.5
というようにになっていた場合、3着以内の馬が人気馬ばかりで構成されているならば、払戻は220円なりますし、逆に3着以内の馬が人気薄ばかりで構成されているならば払戻は450円になります。選んだ馬が3着以内に入れば的中なのですが、配当が確定するためにはその他の2頭の複勝支持率も考えなくてはなりません。
複勝回収率の考え方
それでは複勝回収率の考え方を整理してみましょう。
単勝回収率で説明した考え方②(単勝適正回収値)と同じように複勝回収率も考えてみたいと思います。複勝オッズは下限と上限の幅を持っているので、今回は下限オッズをもとに10,000円の払戻金が返ってくるように購入金を調整することを考えます。
例えば、オッズが2.0~5.0の場合下限オッズは2.0倍なので5,000円分の複勝馬券を購入します。ここで、仮にこの馬券が的中したとします。この時、配当が220円だったとすると、払戻金は11,000円になります。10,000円の払戻金が返ってくるように購入金額を調整したのですが、払戻金は残り2頭の馬の複勝支持率に影響されてしまうので、10,000円にならないこともあります。ここが単勝馬券と違う点です。
このような考え方で以下のレースの馬券を購入したとします。
No | 複勝オッズ | 購入金額 | 結果 | 払戻金 |
1 | 1.6~2.1 | 6,300円 | – | 0円 |
2 | 2.2~4.5 | 4,600円 | 的中(260円) | 11,960円 |
3 | 3.0~5.1 | 3,400円 | 的中(380円) | 12,920円 |
4 | 1.4~1.9 | 7,200円 | – | 0円 |
この場合馬券購入金額は21,500円となり、払戻金額は24,880円になります。よって回収率としては約116%になります。
当サイトで情報提供している複勝回収率はすべてこの考え方で計算しています。targetではこのような複勝適正回収値を計算していないようです。理由としては複勝回収率の考え方は人によっても異なりますし、計算プロセスもやや複雑になることが影響しているように思います。ただ、ここで説明した回収率は実際の馬券購入方法に近い考え方となっているので、過去のデータを検証する際には信頼性の高い複勝回収率計算方法になっていると考えています。
コメント